いきなり夏になりましたね!
身体が暑さに慣れていない中、急に暑い中に走りに出て怖いのは熱中症です。
いったん熱中症になってしまうと、しばらく身体が回復しなくて、満足に練習できなくなるので、熱中症はなるべく避けたいところ。
ここでは、熱中症を予防する4つのポイントを紹介します。
熱中症の症状と原因
「熱中症」は、高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分・ミネラルのバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなることによって起こります。
- 外気に近い皮膚の血管に流れる血の量(皮膚血流)を多くして、その温度差により熱を外に放出
- 汗をかき、その汗が蒸発するときの気化熱で熱を奪い、皮膚の表面の温度を下げる
- めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い
- 頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、いつもと様子が違う
重症になると
- 返事がおかしい、意識消失、けいれん、からだが熱い
体温を下げる機能が目覚めていない
特に暑くなり始めは身体が慣れていないので、体温を下げる機能がうまく働かないことが多いです。
私は冬でもローラー台で汗だくになってローラーしているので、年中汗はサラッっとしていますが、以前は冬に汗をかかない生活をしていて、暑くなり始めの汗は塩分が多く、汗をかくと塩を吹いたようになっていました。
年中汗だくの今でも急に暑くなると、実走数回は全然パフォーマンスが上がりません。
水分が足りない
体温を下げる機能が十分働いていても、汗をかくための水分が足りなければ、体温が下げられなくなります。
ミネラルのバランスが崩れる
汗をたくさんかくと、同時に塩分(ナトリウム)やマグネシウムなどのミネラルも汗として出て行ってしまいます。
ミネラルは、細胞の働きを調節するために重要な働きをしてるので、ミネラルが足りなくなると、けいれんなど、様々な熱中症の症状が起こります。
サイクリング時の熱中症予防の4つのポイント
熱中症の原因が分かったところで、対策を考えると、次の4つのポイントに整理できます。
- 身体を暑さに慣らす=事前の工夫
- 身体の表面から温度を下げる=ウエアや小物の工夫
- 電解質と水分を補給する=ドリンクの工夫
- 身体の内部から温度を下げる=休憩時の工夫
身体を暑さに慣らす:事前の工夫
体温調節機能が働かず、どんなに水分補給しても、サラッとした汗がかけない、皮膚表面の血流量を増やせない身体では熱中症の危険性は高まります。
突然暑くなると、同じ心拍でそれまで出せていたパワーが出せなくなったりして驚くことがありますが、身体が暑さに慣れるまでは、無理をしない範囲で走りましょう。
週末に1時間でも乗っていれば数回で身体が暑さに慣れて暑熱順化が完了しますので、我慢してじっくり走りましょう。
暑熱順化が完了すると、暑くても普通に乗れるようになるので、すぐにわかります。
深部体温が1~2度上昇する環境下で4~10日過ごすだけで深部体温が安定し、血流量が増え、発汗量が上昇することがわかっています。
身体の表面から温度を下げる=ウエアや小物の工夫
真夏のツール・ド・フランスを見ると、スケスケのジャージに、夏だけ白っぽいジャージに代わるチームが結構ありますね。
最近のウエアは高機能なので、ウエアを工夫するだけで快適さが全然違います。
また、掛水をすることによって、汗に回す水分を節約することができるので、暑いときは掛け水をしましょう。
電解質と水分を補給する=ドリンクの工夫
熱中症のシーズンになると、こまめな水分補給をしようと、テレビ等でずいぶんやりますので、こまめな水分補給は常識になっていると思います。
水分補給については長くなったのでこちらを御覧ください↓
身体の内部から温度を下げる=休憩時の工夫
夏のライドの休憩で食べるガリガリ君、美味しいですよね!
実は、かき氷を胃に入れると、深部体温が下がり、暑さに耐えやすくなるとされています。
休憩中に食べるなら、ソフトクリームなどより一気に食べらるかき氷などで、胃から冷んやりするのもおすすめです。
ただし、胃が弱い人は冷たいものを胃に入れると、胃が動かなくなる危険性もあるので、体質とよく相談してください。
信号待ちは日陰で
走っていれば風が来て涼しくても、炎天下の信号待ちは堪えます。
停止線から多少離れていても、信号の手前に日陰があればそこで止まりましょう。
歩道に日陰があれば、歩道に上がって止まってもいいですね。
このこまめな日陰停止でダメージが全然違います。
(2022.06.26追記)
梅雨明けしてやっと晴れたからと、ワクワクして走りに出て熱中症になり、しばらく走れなくなったりしたら元も子もないですよね。
暑さになれるまでは慎重に準備して、無理のないように走りましょう。