ダイエット目的でもそうでなくても、ローラー台を含めて定期的に自転車に乗っていると、練習メニューをどうしようかと迷う人もいるかもしれません。
ここでは、ある程度自転車に乗り慣れて、もう少し系統だった練習をしてみたいという方に向けて、私のローラー台のメニューをご紹介したいと思います。
まだそんなに自転車に乗りなれていない人は、まずは楽ではないけどきつくはないペースで足を止めずに30~1時間ローラーを回せるように取り組みましょう。
目標レースがある場合の練習メニューの考え方
ツール・ド・沖縄や、ニセコクラシックなど、大きな目標レースがある人は、目標レースに向けて練習メニューを組み立てます。
レースの競技時間と、コースなどで必要な出力域と持続時間を加味して、狙いを絞って練習しましょう。
基本的に、レースから遠い時期ほどベースの有酸素域を伸ばし、レースに近づくにつれて必要な高強度域の練習を入れます。
大きな目標レース以外の小さめのレースは 練習と割り切って、それ用の対策はあまりしない方がいいです。あくまでも大きな目標レースへのステップ重視で。
ただ、私は大きな目標レースに向かって練習を積んだことはないので、詳細は↓などをご覧ください(英語だけど💦)。
目標のレースがない場合の練習メニューの考え方
私のように、ダイエットや基礎体力の維持・向上のために自転車に乗っている人は、目標レースに向けて上げていくやり方は向いていないかもしれません。
でも、せっかくローラーを含めて自転車に乗っているなら、自転車の実力も上がったほうが楽しいですよね?
自転車の実力が上がると、週末の実走で、楽に速く遠くまで出かけられるようになったり、今まできつかった坂が楽に感じるようになったりして、実走がどんどん楽しくなります。
それに、ただダイエットのためだけだと思うとローラーは続けにくいですが、出せる出力が上がってくるとか、同じ出力でも心拍が下がってくるなどの効果が見えると、ローラーを継続しやすいです。
ダイエットの最大の敵は中断ですから、少しでも楽しく続けられる要素は取り込んだほうがいいですね。
いろいろな時間を頑張れるように練習する
実際に外で自転車に乗るときは、平坦をずっと同じくらいの力で漕ぎ続ける、ある程度の長さの坂を上る、ちょっと加速して駐車車両を避けるなど、いろんなシーンがありますね。
持続時間が長くなると、その時間出せるパワーは低くなります。
1時間、30分、20分、10分、5分、2分、1分、30秒、15秒、3秒などで、出せるパワーが違うのはよく分かると思います。
出せる時間と主な分類は次のとおり。
1時間~20分 | 有酸素域(L4) |
5分 | 最大酸素摂取量(Vo2Max、L5) |
1分~2分 | 無酸素域(L6) |
30秒以下 | 神経系(L7) |
ローラーメニューを組むときは、これらの長さをまんべんなく練習するにようにすると良いです。
特に、歳を取っても動ける身体づくりのために、基礎体力の維持・向上を目指している場合は、L5~L6をさぼらないようにします。きついからやりたくないんですが、これをやるかやらないかで、将来の衰え方が全く違うと思います。
(2023.05.21追記)
ただし、30秒以下の L7・神経系はダイエット目的ならやらなくてもOK。クリテリウムやシクロクロスなど、それが必要なレースがある人が、前1カ月位からやれば大丈夫です。
ダイエット目的でもメリハリをつける
目的のレースに向けて上げていく場合の練習の原則は、
・3週間やって1週間休む
・3カ月で目標レースに向かって練習強度を上げて行って、目標レースが終わったら休む
と書きましたが、ダイエット目的でも、ずっとだらだらとやっているより、このようなメリハリを効かせた方が、身体や脳が刺激に慣れてしまわず、疲労もたまらず長く続けられると思います。
ダイエットの場合は、目的レースはないので、練習の原則は次のような感じにするのがいいと思います(レース目的とほぼ同じですね)。
Zwiftお勧めワークアウトプラン
前述のように系統だったトレーニングメニューをやってみようという人は、Zwiftのワークアウトプランを試してみるのがいいと思います。4週間から12週間くらいまでのプランがそろっているので、これを順にこなすだけ。
Zwiftのワークアウトメニューが目的別になっているので、FTPを上げたいならFTPビルダー、オールラウンドに上げたいならHunter’s Challangeなどがいいですね。
参考:私のメニュー
zwiftのメニューはとてもいいのですが、私がローラーに割ける時間は週2日、各45分程度なので、ちょっと時間的に難しいです。
そこで、10年以上ローラーをやり続けて収束した、2020年4月現在の私のローラーメニューをご紹介します。(2023.05.21一部修正)
年間計画(冬がレースシーズンの場合)
ダイエットと基礎体力の維持のためのローラー練ですが、たまにイベントやレースに出ないとモチベーションが維持できません。
私は練習時間が限られているので競技時間が長いレースは無理、家族がいるので泊まりを含むイベントも無理ということがあって、うちから車で1時間強で行ける、冬の大磯クリテ(11月~3月)に参加していました。
#大磯クリテは最初は競技時間が20分以上あったんです
最近、カテゴリー数が増えたのと、ビギナークラスなどの参加者数が増えて1クラスでも複数レースをするようになって、女子レースの周回数がどんどん減って、最近ではローリング周回を外すと競技時間が10分程度になってきてしまいました。これだとちょっと競技時間が短いんですよね~。
そこで、最近では競技時間が30分のシクロクロスに転向しています。。(2023.05.21削除)
シクロクロスもレースシーズンは冬(11月~3月)です。
また、GWにはチームで耐久レースに出ることが多いです
2019年から新型コロナウイルスの感染拡大、2022-2023シーズンから冬場はスキーに行くようになったので、シクロクロスとシーズンがかぶり、自転車レースに参加できていません。また、チームが耐久レースに出場しなくなってしまいました。春~秋シーズンに個人耐久レースからレースに参加してみようかと思っています。(2023.05.21追記)
すると、私の年間の練習計画は以下のような感じになります。
(冬にレースをしなくなったので、ビルド期がなくなってしまいました。2023.05.21追記)
- 5月後半~
8月中旬基礎期 - 8月中旬~下旬夏休みなどで練習が不定期に
- 8月下旬~9月上旬2週間くらい休足週を入れる
- 9月基礎期の続き
- 10月~12月
ビルド期11月~3月:シクロクロスのレースシーズン - 12月下旬~
1月1週目年末年始で練習が不定期に - 1月2週目年末年始明けに2週間くらい休足週を入れる
- 1月後半~3月
ビルド期の続き - 4月
レース状況によってビルド期にしたり、基礎期にしたり - 5月GWGWで実走たくさん
&チームで耐久レースに参加 - 5月GW明け2週間くらい休足週
GWにたくさん乗るし、ここからシーズンオフという意味合いでレスト週です
詰めてメニューをやってると、何か3カ月くらいで疲れてくるんですよね。。。
GW後、夏休み後、冬休みの後、ちょっとお休みを入れて気分を入れ替えます。
もちろん、やりすぎて免疫が落ちて病気になってしばらく乗れなくなるとか、仕事が忙しくてメニューがこなせなくなるとかいろんな要素でこの通りは行かないのですが、基本、基礎期のメニューでベースを作る、レースシーズンならビルド期のメニューに入れればいいなという感じです。
レース目的でなければ、ビルド期の代わりにずっと基礎期のメニューをやってもいいと思います。
1週間の組み立て
仕事や出張の都合で曜日が変わることはありますが、平日2日ローラーを回して、週末は実走に出かけることを基本にしています。
ローラーが水・木連続なのは、火曜日・金曜日が夕食当番なので、その日はローラーできない(前日の夜に仕込むので睡眠時間が確保できない)からです。
夕食当番の曜日によっては、ローラーの日が変わります。
ただ、土日にしっかり目に乗ると、脚が完全に元気になるのが水曜日だったりするので、がっつりインターバルで上げるには逆に都合がいいような気がします。
平日2日目は有酸素域の練習にしているので、2日連続でも支障はない感じです。
週末に雨が降って実走に行けない場合は90分で中程度の負荷でローラーを回します。
土曜日は一週間分の食材の買い出しに出かけて、出発が遅くなるので、Zwiftで2時間程度のグループライドに参加しています。(2023.05.21修正)
このあたりはご自身の生活パターンに合わせて組み立てて下さい。
基礎期のメニュー
①(6m110%-5m40%)*3、CrissCross
②(2m130%-2m40%)*8、CrissCross
③(1m140%-1m70%)*16、CrissCross
ビルド期のメニュー
①(2m130%-2m)*8、CrissCross
②(1m140%-1m70%)*16、CrissCross
③((30s150%-30s)*10-5m)*2、CrissCross
④((15s150%-15s)*20-5m)*2、CrissCross
メニューの詳細
メニューの考え方
どのメニューもトータル時間が45分程度に収まるように、ウォーミングアップ10分、メイン30分程度、クールダウン5分で組んでいます。
CrissCross以外は10分のアップだと足りないので、アップの途中、5分と7分のところで1分の高ケイデンスを入れます。
基礎期は6分~1分のインターバルで、VO2Max(最大酸素摂取量)を伸ばして有酸素域の天井を引き上げるのと、CrissCrossで有酸素域を伸ばすのを狙っています。
1分は、150%-50%でやって上を伸ばすメニューもあり得ますが、最近は140%-70%とレストを高めに設定して、持久力を伸ばすメニューにしてます。
(上を狙わないと落ちてくるので、基礎期も上を狙ってやることにしました。2023.05.21追記)
ビルド期は、30秒や15秒の短いインターバルを入れて、瞬間の踏み方を思い出して、上げ下げの多いレースに備えています。
ビルド期の平日2日目をもう少し高強度に振った練習をしていた年もあったのですが、その年はレースシーズン後半に有酸素域の力が落ちたような気がしたので、平日1日目は神経系も織り込むけど、平日2日目は有酸素域の維持を目的に、CrissCrossは通年で行うことにしました。
各メニューはFTPに対する目標出力が指定されていますが、その時にできる範囲で、特に休息開けではZwiftのワークアウト画面でマイナス設定にします。
どのメニューもマイナス設定にしないとできない場合で、FTP基準で疲労管理をしている場合は、FTPを下げたほうがいいです(実際の疲労に対して少なめに計算されてしまうから)。
また、余裕を持ってこなせるようになってきたら、FTP設定を上げたほうがいいです。
まとめ
自分の生活の中で、どのようにダイエット用の運動を定期的に取り入れて、継続するかは永遠の課題かもしれません。
続けるために重要なのは最後はモチベーションの維持と思います。
いかにモチベーションを切らさないように長く続けるか。
そのためのレース参戦、ローラー台でこなせる出力が上がるのを楽しむ、など、いろいろと工夫をしてみてください。
出力がどんどん伸びる時期は楽しいのですが、系統だったトレーニングを10年すると、出力は伸びなくなってくるとも言われています。
しかも、加齢もあり、疲労が溜まったりすると、ますます思うように出力が伸びなくなります(2023.05.21追記)
長くやっていると、パワーが伸び悩み、出せるパワーを伸ばすことばかりに捉われていると、自転車が楽しくなくなるかもしれません。
パワーが伸びなくなったらスキルを磨く、シーズン前に一度落としてから上げていくことを楽しむなど、いろんな楽しみ方を見つけることが必要かもしれませんね。