こんにちは。かよです。
コロナ自粛もあって急速に参加者が増えたZwiftですが、皆さん、どのようなローラー台で参加していますか?雨が降っても雪が積もっても、いつでも楽しくローラーできるZwiftは最高ですよね!
せっかくZwiftをするなら、スマートローラー(バーチャルライドの傾斜に応じて負荷が自動で変わるローラー台)を使いたいところ。
では、Zwiftするのに最適なスマートローラーはどのようなものでしょうか?
私がこれまで所有したことがあるローラー台は、購入した順に、エリートの三本ローラー、ミノウラの固定ローラーV270、GrowtacのGT-Roller F(初期型)、GrowtacのGT-Roller Q1.1です。
最初の2つは知人に譲ってしまい、今はGrowtacの2台を両方使っています。
ここでは、ローラー練が実走に活きるという観点から選ぶとすると、Growtacをお勧めするわけと、フロントフォーク固定のGT-Roller F3.2と四本ローラーのGT-Roller Q1.1のどちらがいいかについて、ご紹介したいと思います。
※フロントフォーク固定のローラー台はグロータックの通販サイトから消えてしまいました(2024.05/28追記)
ローラー台の評価ポイント
Zwift用のローラー台を選ぶ評価ポイントとして、私は次の5点を上げたいと思います。
もちろん、人によって評価ポイントは違うと思うので、そこはご自身の実情に合わせて解釈してください。
- スマートローラーであること、またはスマート化できること
- 静粛性
- 使わないときのコンパクトさ
- 使うときの毎回の設置の手間の少なさ
- 実走感
GT-Roller購入時の注意
一方、私の評価項目に入ってこないのは以下の点です。
パワーが正確に計れること
私の自転車にはパワーメーターが付いているので、ローラー台でパワーを正確に計れる必要はありません。
GrowtacのGT-eシリーズはローラー台でパワーを推計する機能を持っていますが、フライホイールやローラーの回っている速度からパワーを推計するので、後輪への荷重の割合、タイヤの空気圧、その日の体重などによって、推計値が大きくずれることが予想されます。
個人的にワークアウトをする場合などでは許容範囲かもしれませんが、レースに出ると不正扱いとなる場合もあるようなので、パワーメーターを持っていない場合はGT-Rollerのスマート機能はお勧めできません。
ただ、最近はパワーメーターも安くなってきているし、ダイエットのために消費カロリーを把握したい場合等、実走でもパワーを測りたくなると思うので、これを機会にパワーメーターを導入するのも良いと思います。
ダイレクトドライブのスマートローラーを使うならロッカープレート等と併用で
上記の評価ポイントで評価するとダイレクトドライブのローラー台は、「1.スマートローラーであること、またはスマート化できること」と「2.静粛性」は非常に良いと思いますが、「5.実走感」という点で、私の選択肢からは外れます。
私が後輪ハブ固定のV270から前フォーク固定のGT-Roller Flex(初期型)に乗り換えた理由は、固定ローラーで練習していると実走と異なるペダリングになってしまうからでした。
普段の自転車にパワーメーターが付いている人は、初めて固定ローラーやダイレクトドライブのローラー台で回してみると、全然パワーが出ないのに愕然とすると思います。
通常、固定ローラーの出力は1~2割実走より低いと言われています。
これは、実走ではペダリングをするたびに、自転車がわずかに左右に傾き、そこにうまく体重を乗せてペダリングをしているのですが、固定ローラーでは自転車が傾かないので、自然に体重を乗せることができないのです。
一方、そのような状態で出力を上げる練習をすると、後輪のハブの固定力を利用して出力を上げられるようようになってきます。
でも、実走ではハブは固定されていないので、このような漕ぎ方をすると力が逃げて、逆にローラー台では出せていたパワーが出せなくなるという事態に。。。
最近はSarisがMP1という、ローラー台を乗せるロッカープレートを発売していますので、このような台を購入もしくは自作することにより、自転車を左右に振ることができるようになり、このような弊害を避けることができると思われます。
ただし、自転車は左右に振れているだけではなく、微妙にハンドルが切れ、微妙に重心が前後に動きながら進んでいます。
左右だけに振れるものは、全く振れないものに比べてはるかにマシですが、やはり実走感という点では劣るようです。
SarisのMP1は前後にも動くようですし、後ろのローラー台だけ自作ロッカープレートに載せて、前輪はハンドルが切れる回転台に載せて工夫している人もいますので、ダイレクトドライブの方は実走感を求めて是非いろいろと工夫してみて下さい。
GT-Roller F3.1とGT-Roller Q1.1の比較
では、いよいよ、私の評価ポイントに沿って、GT-Roller F3.1とGT-Roller Q1.1を比較してみたいと思います。
1.スマートローラーであること、またはスマート化できること
これはどちらもGT-ePowerという自動負荷装置と、GT-eBoxというコントロールユニットを後付けすることでスマート化できます。
GT-eBOXは8,500円(税別)で共通。
負荷装置は、F用のGT-ePower-Fが23,500円(税別)、GT-ePower-Qが31,500円(税別)と四本ローラーのQ向けの方が若干お高くなっています。
2024.04.23追記:Growtacでは自動負荷装置の取り扱いがなくなってしまったようです。。。
私の持っているのはGT-ePower-Qですが、Zwiftに表示される斜度と速度と入れてるギアを見ると、GT-ePowerの最大負荷でも実走の激坂は再現できていないと思います。負荷再現度を100%にして最大負荷制限を解除すればもう少し負荷が上がるかもしれませんが、GT-Roller-Qでは負荷再現度70%くらいが乗りやすいです。
負荷の掛かり方は自然で、とても気に入っています。
Zwift側の設定:トレーナーの難易度は最大にします。
GT-eRemote側の設定:勾配負荷再現度を70%にしています。また、パワーソースはパワーメーターです。
2.静粛性
以前持っていたエリートの三本ローラーはローラー部分が樹脂製で、負荷もかからなかったため出力を上げるとタイヤが回転する速度が上がり、爆音と振動で高負荷のトレーニングはとてもじゃないけどできない感じでした。
(ローラーをしているのは下が地面の鉄筋コンクリートのマンションのリビングです)
しかし、四本ローラーはそれに比べるとはるかに静かで振動もありません。
四本ローラーのGT-Roller Q1.1と前フォーク固定のGT-Roller Flex(初期型)を比べるために動画を撮ってみましたが、四本ローラーの方が音の質が低く、静かに感じるかも??。
後輪から1mのところにティッシュの箱を置いて、その上に中華アクションカメラを置いて撮影しています。
結構うるさく感じるかもしれませんが、ワット数と速度をコールしている声の大きさと比較すると、そんなにうるさくないというのがわかっていただけるかも??
3.使わないときのコンパクトさ
GT-Roller Flexは脚をたたむと幅22cm x 長さ107cm x 高さ44cmとなります。
一方、GT-Roller Q1.1は発射防止ローラーをつけた状態で、幅56cm x 長さ76cm x 高さ13.5cmです。
ただし、フロントエレベーターのGT-eSlope-Qはたためないので結構場所をとります(幅72cm×長さ28cm×高さ28.5cm)。
たたんだ時の形状が違うので、どちらが邪魔にならないかは片付ける場所の状況によるかな。
私は四本ローラーはリビングのテーブルの下にしまっています。そのため、ダンボールの上に乗せて滑らせるようにしています。
4.使うときの毎回の設置の手間の少なさ
常設の人は関係ないと思いますが、私は毎回リビングにローラーを設置するし、朝ローラーは時間がギリギリでやっているので、設置に手間がかからないことは意外に重要です。
GT-Roller Flexの設置手順(GT-ePowerがあると想定、マットを敷いてからPCの電源ボタンを押すまで推定4分)
- マットを敷く
- ローラー台を設置する
- GT-ePowerとGT-eBoxをつないで立ち上げる
- 自転車の前輪を外してローラー台に設置する
- 扇風機を設置する
- 三脚のPC台を設置する
- PCを設置して立ち上げる
GT-Roller Q1.1.の設置手順(マットを引いてからPCの電源ボタンを押すまで7分)
- マットを敷く
- ローラー台を設置する(flexより少しだけ時間がかかる)
- GT-eSlopeを設置し、電源をつなぐ
- GT-ePower、GT-eSlopeとGT-eBoxをつないで立ち上げる(GT-eSlopeの分だけ時間がかかる)
- 自転車を四本ローラーに乗せる(乗せるだけなのでflexに比べて手間がかからない)
- 100均ネットで作成したPC台を設置する(三脚のPC台より時間がかかる)
- 扇風機を設置する
- PCを設置して立ち上げる
このように、私の場合、四本ローラーの方が設置に若干手間がかかります。
私のGT-Roller Flexには自動負荷装置のGT-ePowerがついていないので、さらに手間が少ないです。
平日の朝のローラーメニューは時間もないし、自動負荷である必要はないので、その差は4分程ですが、簡単に設置できるGT-Roller Flexで行っています。
一方、休日に長時間乗る時は圧倒的にGT-Roller Q1.1の方が実走感があるので、多少設置に手間がかかっても、絶対こちらでやりたいです。
5.実走感
実走感はフル装備のGT-RollerQ1.1+自動負荷装置+フロントエレベーター+発射防止ローラーの圧勝。
これまでGT-Roller Flexは2013年5月から7年以上使っています。
これまで、なんの不満もなかったのですが、この夏にGT-Roller Q1.1を入手して乗り始めて、まず思ったのが、4本ローラーはバランスを取るのにものすごく体幹を使っているということ。4本ローラー乗り始めの最初の頃は4本ローラーに乗り慣れないせいもあって、無駄に力が入っていたこともあると思いますが、長時間ローラーした翌日は体幹部に疲労を覚えました。
そして、その後、実走に出たら、白線の上や白線と路肩の隙間のアスファルトなど、思った場所を苦も無く走れるようになっているのに気づいたんです。
そりゃ、どこも固定されていない自転車を、ふらつかないようにローラーの上で走らせているわけなので、バランスも良くなろうってもんです。
しかも、zwiftのコースに合わせて負荷が変わったり、斜度が変わったりするので、そのたびに無意識に身体がバランスを取っていて、圧倒的に自転車のコントロールが上手になっていると思います。
同じ立ち漕ぎをするにしても、GT-Roller Flexよりはるかに頑張ってバランスを取らないといけないですしね。
平日の朝はGT-Roller Flexでメニューをこなしますが、体幹の使用度が全然違うと感じています。
GT-Roller Flexはある意味、気楽に乗れるのがいいのですが、乗ってて楽しいのは圧倒的にフル装備のGT-Roller Q1.1です。
総合評価
GT-Roller F3.2 | GT-Roller Q1.1(フル装備) | kickr +climb +ロッカープレート | |
1.スマート化 | △(PM有りなら◎) | △(PM有りなら◎) | ◎ |
2.静粛性 | 〇 | 〇 | ◎ |
3.コンパクトさ | 〇 | △ | × |
4.設置の手間 | 〇 | △ | × |
5.実走感 | 〇 | ◎◎◎ | ◎ |
価格(定価・税別) | 111,980円 | 236,500円 | 395,905円 |
参考に、持っていないけど、Wahoo Kicr+Climbを前後左右に動くロッカープレートSaris MP1に乗せた場合を想定して評価してみました(注:現状Saris M1にKicr Climbは装着できません)。
平均して点が良いのはGT-Roller F3.2ですね。
GT-Roller-F3.2は勾配は再現できないので、実走感において、GT-Roller Q1.1とWahoo Kickr+kickr climbをロッカープレートに乗せたものに負けています。
また、GT-Rollerシリーズはパワーメーター必須のため、スマート化が△となっています。
GT-Roller Q1.1は実走感が飛びぬけて高いのですが、F3.2と比べると、フロントエレベーターの分の置き場所と設置の手間で負けています。また、フル装備にすると価格が倍になります。
GT-Roller-FとGT-Roller-Qの両方を持っている私としては、どちらか一つだけ買うとすれば、四本ローラーのGT-Roller-Q1.1を買いたいです。
トータルの値段は高いですが、Growtacの良いところは、四本ローラー、GT-eシリーズ、GT-eSlope、発射防止ローラーとそれぞれ別に買えるので、お金がたまったら順次買い足していくということが可能な点ですね。
Wahoo KickrとKickr climbをロッカープレートに乗せたものは、自転車にパワーメーターがついていない場合は良い選択肢と思われます。ただし、Kickr climbは現状ではSaris M1には載せられません。
また、自分でバランスを取らないと倒れてしまうQ1.1に比べると実走感という点では劣ると思われます。
まとめ
改めて計算してみたら、Q1.1にずいぶん投資したことが判明してしまいました💦
(ばらばらに買ったので合計は考えてなかった。本体は知人から譲ってもらったし、eSlopeはアウトレット品だしでだいぶ安くは買っていますが。。。)
でも、フル装備のGT-Roller Q1.1の実走感は本当に素晴らしく、また、自転車に乗るのが上手になるので、天候や時間帯で実走とローラーと迷うシチュエーションではzwiftを選ぶことが増えました。
信号ストップもないし、圧倒的な練習効率なんですよね。
フル装備のGT-Roller Q1.1でできないソロ練は重力への対応(下り・コーナリング)、空気への対応(空気抵抗、風)、路面変化への対応(路面の荒れ、摩擦係数の変化など)でしょうか。
これらは今のところ実走でないと練習できないですが、逆に言うと、実走はこれだけを練習しに行けばいいので、後は楽しく景色や空気を楽しむサイクリングにすればいいのです♪
ダイエットのためには天候や時間帯に左右されず、継続的に運動ができることが重要ですから、ローラー練を取り入れるのは非常に効果的です。
そのローラー練をより楽しく、効果的なものにするために、少し頑張ってローラー環境に投資してみることをお勧めします。
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私のGT-Roller Q1.1には発射防止ローラーが付いるのですが、これがついていないと、立ち漕ぎや立ち漕ぎから座る時に自転車の位置を前後させないように注意して立ったり座ったりしないと怖いです。
実走に出て注意して観察してみると、身体に対して自転車が後に移動し、座る時はひょいと自転車を前に持ってきてる感じで座っているんです。
四本ローラーで無造作にこれをやると前後に自転車が飛び出しそうになっちゃう。
でも、発射防止ローラーを付けていると実走と同じようにひょいと立ち上がって、ひょいと座れるし、斜度が上がって前が持ち上がってきたときに、無造作に座る位置を前にできます。
GT-Roller Q1.1を導入するなら、発射防止ローラーも導入することをお勧めします。