ダイエットやアンチエイジングのために運動を始めても、なかなか続かない……そんな気持ち、よ〜く分かります。 私も最初は「運動して気持ちいい」なんてこれっぽっちも思いませんでした。根性がないことには自信があると公言していたくらいです。
でも最近、Zwiftで心拍が上がるライドをしていたら、やばいくらいの幸福感を感じたんです。
これって俗にいう「ランナーズハイ」なのかも?と思って調べてみたら、どうやらフルマラソンを走らなくても、一定の運動によって脳内快楽物質が分泌されて、幸福感が得られるらしい。
脳内快楽物質の仕組みを知って脳をうまく“ハック”できれば、初心者でも運動が楽しくなって習慣化できる。しかも高強度インターバルだって「やりたくて仕方ない!」に変わります(笑)。
どうせハマるなら、お酒やギャンブルより運動にハマったほうが健康的でおトクです♪
忙しい人向けまとめ:脳内快楽物質を味方につける6つのポイント
- 辛くない範囲から始めて徐々に強度・時間を延ばす
- あまり間を開けず定期的に運動する
- 慣れてきたら中~高強度の運動にチャレンジ
- 運動中の「楽しい」感覚を逃さずキャッチする
- あらゆるステップで自分を褒める
- 頑張りすぎに注意(休むことも大事)
脳内快楽物質って何?運動で増える幸せホルモンの種類
運動や楽しいことをしたときに、脳が分泌する「幸せホルモン」とも言える物質たち。ストレスを吹き飛ばし、心と体にポジティブな影響を与えてくれます。
ドーパミン
難しいかもという予想に反した達成感や「やりきった」気持ちに反応して、報酬系が活性化して分泌。快感をもたらし「またやりたい!」という意欲の源になります。
依存症(アルコール・ギャンブルなど)もドーパミンの過剰反応が関係していますが、運動で得られるドーパミンは自然で健全。しかもZwiftワークアウトで「無理かもと思ったけどメニューを完遂した!」「今日は出力が上がった!」と感じるだけでもドーパミンが出るという、脳のありがたい“バグ”も(笑)。
セロトニン
心を安定させるホルモンです。親密な人との関係や日光を浴びること、ジョギングやサイクリングなどの一定リズムの運動をすることで分泌され、リラックス状態を作ります。軽い運動でも分泌されます。
運動で血流がよくなると脳内のセロトニン神経が活性化し、必須アミノ酸のトリプトファンからセロトニンが合成されます。セロトニンの効果はストレス軽減やメンタルの安定。日光を浴びることで分泌されるので、Zwiftだけじゃなく、日光浴しながらのサイクリングは、まさにセロトニンブースト!
エンドルフィン
体が中~強い負荷を受けたときに分泌されます。モルヒネと似た構造を持ち、脳内のオピオイド受容体に作用して痛みを抑え、多幸感をもたらします。いわゆるランナーズハイをもたらす物質とされています。
エンドルフィンの分泌ピークは高負荷開始およそ2~3分以降で、自転車でも「追い込んでるとき」にじわっと分泌されて、ツライけどクセになる快感が得られるのはこのおかげ!
アナンダミド
「至福」「高揚感」「リラックス感」をもたらす神経伝達物質です。別名「内因性カンナビノイド」。大麻成分に似た構造を持ち、カンナビノイド受容体に作用することで、痛みや不安感をやわらげ、多幸感を引き起こします。最近の研究では、ランナーズハイの正体はアナンダミドであるとも言われています。
特に高強度インターバルなど、ツライ場面で分泌されやすく、慣れてくるとこの快感目当てにインターバルが楽しみになることも(笑)
運動初心者は脳内快楽物質を感じにくい?その理由とは
人間の脳は生命維持を最優先するため、体に未知のストレスがかかると「危険だ!やめろ!」という警報を出すようにできています。
だから、運動を始めたばかりの初心者は「苦しい」「しんどい」しか感じられず、実は出ている脳内快楽物質の効果に気づけていないだけなんです。
ポイントは「強すぎない負荷」で始めること。ゆるめの運動でもセロトニンが分泌されます。ゆるめのサイクリングや軽くZwiftをやってみるなど、体が「これなら大丈夫」と思える範囲からスタートして、ポジティブな気持ちと紐づけるのがコツ。
わずかでも感じる「気持ちいい」「楽しい」の感覚を探しましょう。
すると、次からもっと簡単に「気持ちいい、「楽しい」を感知できるようになります。
最初は楽な範囲でリズムよく、1回30分~45分程度を週3回~4回行うと良いでしょう。慣れてきたら、楽な範囲から、楽すぎないけれどもきつくはない範囲に徐々に強度を上げていきましょう。Zwiftのゆるめのワークアウトにチャレンジしてみるのも良いですね。
さらに「今日も運動できた」「昨日より5分長く続いた」と自分を褒め、達成感を得ることでドーパミンも出て、習慣化への第一歩になります!
運動の記録を付けて、継続している、頑張ってるということが可視化されると、ドーパミンが分泌されて、もっと続けたくなります。逆に、やらなくなっちゃった、さぼっちゃったと思うと、ドーパミンが減る(いつも一定量出ているのですが分泌量が減ってしまう)ので、やる気の低下につながります。こういうときもしっかり休めた、気分転換になった、また始めようと思った自分はえらい、などとポジティブに考えましょう(笑)。
運動の習慣化で脳が変わる?快感を感じやすくなるメカニズム
「気持ちいい」の感覚を探しながら軽い運動を無理なく続けていると、セロトニンの分泌も活発になり、脳が「これは安全だ」と学習して、あの「やめろ!」という警報音がだんだん小さくなります。
その結果、運動中に分泌される快楽物質をちゃんと“快感”として認識できるようになり、 「気持ちいい」→「またやりたい」→「習慣になる」 という好循環に。
つらい、しんどいと思う閾値が上がってくるので、楽ではないけときつくない範囲で運動していても、より運動強度が上げられるようになってきます。前より速く走れるようになった、前より坂が楽に感じるなど、運動効果が実感できるようになるとドーパミンの分泌も更に盛んに。Zwiftの初心者向けトレーニングプランに着手してみるのも良いと思います。
ドーパミンやエンドルフィンは「またやるかも」と脳が判断したときにより多く分泌されるので、定期的に継続すればするほど効果が実感しやすくなります。
ランナーズハイを体験!中~高強度運動で脳内快楽物質を最大化
少なくとも4週間程度は運動を継続し、運動の快感を感じやすい脳になってきたら、いよいよ中~高強度インターバルにもチャレンジ!中~高強度の運動でエンドルフィンが分泌されて、更に幸福感が増してきます。
ただし、無理は禁物。終わった後に「辛かった」しか残らないのはダメ。辛すぎないギリギリを狙うことで「次もやりたい」と思えるようになります。やってる途中は辛くても、終わった後に「やり切った」、「途中辛かったけど終わってみれば楽しかった」という感覚があれば大丈夫です。
脳内快楽物質の分泌が増えてくるには2から3分は必要なので、ワークアウトをするなら短すぎるインターバルより、VO2Maxのインターバル(3分~5分程度頑張って同じ時間休む)か、CrissCrossや3分~5分のOverUnderが良いでしょう。
経験上、1分1分と2分2分のインターバルでは、ポジティブな気持ちにはなれるものの、ハイになるほどの脳内物質は出ませんでした。
強度が上がってきたら、意識の持ち方も大切。辛さに集中せず、音楽やライバルとの妄想バトルなど、気を紛らわせる工夫が効果的です。
そして、ある日突然…「あれ?いまめっちゃ気持ちいい!!」という多幸感がやってきます。
このときおそらくアナンダミドが分泌されて、エンドルフィンとの相乗作用になってる。ほんとに翔べる感じ(笑)
これがいわゆるZwiftでも味わえる“ランナーズハイ”。
そしてこの体験を繰り返すうちに、エンドルフィンが分泌されやすくなるのか、心拍が上がるだけで「超楽しい」という快感スイッチが入る体質に!これはもはや合法の脳内麻薬です(笑)
自分を褒めることでドーパミンを出すコツ
エンドルフィンやアナンダミドはしっかり運動しないと出ないのですが、ドーパミンは「報酬ホルモン」なので、予測を超えて何かをやり遂げた実感や、やり切った、頑張っているという満足感とセットで分泌されます。
実は、自分を褒めるだけでも出せるって知ってました?
脳をハックする褒めテクニック
- 行動を即時肯定:「眠いのに起きて準備した私えらい!」「嫌だったけど始めた私すごい!」「今めっちゃ頑張ってる!」
- プロセスを褒める:「出力下げて調整してでもやりきった自分すごい!」「ダメそうでも最後まで粘った自分えらい!」
運動で快楽物質を出しまくっても大丈夫?オーバートレーニングには注意
「脳内麻薬って中毒とか大丈夫?」と思うかも。でも、運動の快感は健康的で、適度な運動なら中毒の心配もなし!
とはいえ、やりすぎると「オーバートレーニング症候群」で体と心が疲れちゃうので、バランスが大事。
ストレスホルモンのコルチゾールが上がりすぎると、セロトニンやアナンダミドの生産や効果が抑えられ、不安・イライラ・不眠・無気力などが出やすくなるんです。
スマートウォッチで安静時心拍数やHRV(心拍変動)を取ると身体のストレスがわかります。
また、ボディバッテリを満タンにするようにするとしっかり休息が取れるので、オーバートレーニングにつながりにくいです。
オーバートレーニングを防ぐポイント
- 運動量の管理(強度×時間で調整。パワーメーターがあればCTL確認)
- 休足日・休足週を設ける
- 食事でのサポート(乳製品や大豆製品など、トリプトファンが多く含まれている食品を意識)
- 身体のサインを見逃さない(安静時心拍の上昇、睡眠の質の悪化、やる気の低下など)
ストレスホルモンのコルチゾールが増えると心の安定をもたらすセロトニンの分泌が減ってしまいます。セロトニンはアミノ酸のトリプトファンから合成されるので、アミノ酸リッチなものを食べることで対策になります。ただし、食べ物やサプリだけではダメ。しっかり休養することが前提です!
まとめ:楽しく続けて、心も体も最強に!
私が長年かけて偶然体得した「心拍上がるだけで楽しく気持ちよくなる体質」、意識してやれば短時間でつくることができます!
- 辛くない範囲からスタート
- 定期的に継続
- 運動中の「楽しい」感覚を逃さずキャッチする
- 慣れてきたら中~高強度の運動にチャレンジ
- 小さなことでも自分を褒める
- 休む勇気も大切に
この6つを意識して運動を習慣化すれば、脳内快楽物質を味方にした“最強の自分”が待っています。
そして、気づいたらみんなでZwiftトリップパーティ(笑)おまけで「折れないメンタル」「シャープな体」もついてきますよ♪
まずは「ちょっと気持ちいい」を感じられることから始めてみましょう!