ダイエットを志している人の多くの人は、ただ体重を減らしたいのではなく、お腹周りについた脂肪を減らしたいのではないかと思います。
運動すればいいのはわかってる。でも、運動できる時間も限られてるし、脂肪燃焼強度で長時間運動とかできないんだけど。。
わかります。
私もフルタイムで働いていて、子供が二人いて、ダイエットのために自転車に乗りたいけど、そんなに運動時間は取れなかったです。
ここでは、私の経験から、少ない時間でも効率的にダイエットできる運動強度をご紹介します。
脂肪燃焼強度とは
ダイエットするなら、楽に会話ができる程度の脂肪燃焼強度でやるのがいいと、よく言われますよね。
ところで、脂肪燃焼強度って何でしょう?
二つのエネルギー源:グリコーゲンと脂肪
人間は生きているだけで体温を保ち、心臓を動かし、呼吸をし、食べたものを消化しと、エネルギーを使っています。これが基礎代謝です。
さらに、活動をすると、筋肉を動かすためにエネルギーを使います。
身体の中で通常時にすぐに使われために準備されているエネルギー源は「グリコーゲン」です。
これは、肝臓と筋肉に蓄えられています。
グリコーゲンが血液中に放出されたものがグルコースです。
食事によって血液中のグルコースの量(血糖値)が増えると、グルコースは、グリコーゲンに変換されて肝臓や筋肉に蓄えられます。
一方、エネルギーが消費されて血糖値が下がると肝臓のグリコーゲンからグルコースが作られ、血液中に放出されます。
グリコーゲンは 1gあたり4kcalのエネルギーを持っていて、 体重60kgの人で肝臓に85g(340kcal)、筋肉に240g(960kcal)しか蓄えられていません。
脳は血液で運ばれてくるグルコースしかエネルギーにできず、血液中に放出できるグルコースは肝臓由来のものだけなので、脳が使えるエネルギーは340kcalしかストックされていないんですね。
一方、貯蓄性のエネルギーとして、多くの方が減らしたいと思っている、「脂肪」があります。
脂肪は内臓脂肪、皮下脂肪などとして貯蔵され、体重70kg、体脂肪率20%の場合は、14kgの体脂肪を持っていることになります。
体脂肪は1kgあたり7,000kcalのエネルギーを生産できます。
ということは、体脂肪14kgなら98,000kcaもの莫大なエネルギーを蓄えている計算になりますね。
脂肪は血液中にも存在し(遊離脂肪酸)、安静時でも糖(グルコース)と脂質は1対1の割合で消費されています。
脂肪燃焼強度とは脂肪が燃える比率が最も大きいところ
一般に、運動の強度によって、有酸素運動と無酸素運動に分けられるとされています。
有酸素運動: | 会話ができる程度の、それほど激しくない運動で、脂肪を主なエネルギー原にしているもの |
無酸素運動: | 息が上がるような激しい運動で、グリコーゲンを主なエネルギーにしているもの。 |
ダイエットをする際に、脂肪燃焼強度と言われるのは、有酸素運動の範囲で、↓下の図で一番脂肪の分解が多い、脂肪燃焼ゾーンのことを指します。
ここが一番脂肪が燃えやすいから、この強度で運動しましょうというわけですね。
でも、ちょっと待って?
ダイエットの基本原則は、「消費カロリー>摂取カロリー」ですよね?
もっと運動強度の高いところで運動して消費カロリーを増やすのではダメなの?
脂肪燃焼ゾーンより、総消費カロリー
脂肪燃焼ゾーンは下の図のゾーン2、主観的強度でいうとRPE「2 弱い」~「3 中程度に弱い」になります。にこにこ談笑しながら動ける範囲ですね。
この範囲では、数時間など、長時間運動することが可能です。逆に、5時間以上など、長時間運動するときには、この範囲で運動しなければ最後まで持ちません。
もちろん、5時間以上など長時間、このペースで運動すれば、消費エネルギーも莫大になります。
一方、運動に割ける時間が限られている場合はどうでしょう?
平日、30分しか運動できないのに、楽な範囲(RPE2)でしか自転車を漕がなければ、180kcalくらいしか消費できないかもしれません。
一方、きつい範囲(RPE5)で運動すると、30分で300kcal位消費できると思います。
先の図を積み上げグラフにすると↓のようになります。
きつい範囲(↑の図で85%VO2)で使われているのは多くが糖質ですが、脂肪が使われないから無駄なのかというと、そうではありません。
一日の流れで見ると、次のようになります。
- 運動時肝臓や筋肉にあるグリコーゲンを使う
- 運動後食べたものから肝臓や筋肉にグリコーゲンが補充される
- その後の活動一日の消費エネルギーに対して摂取エネルギーが不足すれば脂肪が分解され、エネルギーとして使われる
つまり、運動で使ったエネルギー源が脂肪であろうと、グリコーゲンであろうと、一日のカロリー消費がマイナスなら、結局貯蔵されている脂肪が使われるのです。
高強度の運動後には追加の消費エネルギーがある
さらに、高強度で運動すると、しばらくエネルギー消費が多い時間帯が続きます。
- 運動後しばらくは体温が高い、
- 傷ついた筋肉組織を修復する、
- 乳酸など運動時にリサイクルできなかった代謝産物をリサイクルする
このため、運動に使ったエネルギーより多くのエネルギーを消費できるのです。
高強度の運動により筋肉が増える
さらに、高強度の運動をすることにより、傷ついた筋肉組織が修復される際に、余分に筋肉が作られて、筋肉量が増えていきます。
これによって、基礎代謝が上がるので、1日の消費カロリーが増え、太りにくい身体になっていきます。
まとめ
ダイエットだから、ゆるく運動するというのは、時間効率から言ったら間違い。
運動できる時間を継続できるめいっぱいの強度でやるのが、最も効率的にエネルギーを消費できます。
また、強度高めで運動したほうが、追加の消費カロリーも増えるし、筋肉も増えるしでいいことづくめです。
ただ、本当に最後に倒れるまでめいっぱいやってしまうと、運動が嫌になってしまうので、嫌にならない程度のそこそこの頑張り度でやるのが継続するコツ。
2時間位運動できるときは楽過ぎないけど頑張りすぎないペース、30分位しか運動できないときは、結構頑張ったペースなど、その時間を嫌にならない程度の頑張り具合で頑張って、効率よく継続的にエネルギーを消費しましょう!