ダイエットや自転車のパフォーマンスのために食事に気を配っている人は、なるべく健康にいい食品を食べたいと思っているのではないでしょうか?
では、逆に、健康に悪い食品って何でしょう?
添加物?輸入食品?農薬?少し前だと放射性物質?
テレビなどの報道を見ていると、こういうものが不安になるのはよくわかります。
でも、実はもっと危険なものが。。
ここでは、本当にコントロールするべき、健康に悪い食品をご紹介したいと思います。
健康寿命を短くしているもの
上の表は、健康寿命を阻害している危険因子を並べたものです1「障害調整生存年数(DALY:Disability-Adjusted Life-Years)」死亡要因だけではなく、健康を害している等を含めて、健康寿命を阻害している要因を計算したもの。
高血圧、喫煙、高FPG(高空腹時血糖)など、見るからに健康に悪そうな単語が並んでいますね。
この表の日本の危険因子は次のように分類できます
不適切な行動の結果起こるもの | 高血圧、高FPG(高空腹時血糖)、高BMI(肥満)、腎機能の低下 |
適切な行動からの逸脱 | 塩分過剰摂取、身体活動が少ない、果物の摂取不足 |
不適切な行動 | 喫煙、飲酒 |
個人の力ではコントロールできないもの | 大気汚染 |
危険因子の分類がバラバラなのがいまいちですが。。
でも、一般的に健康に悪いと思われがちな食品添加物や農薬、輸入食品はここに上がってきておらず、これらの危険因子に比べると、添加物や農薬、輸入食品などは無視してよいほど、健康に与えている影響は低いと考えられます。
さて、これらの危険因子をざっくりと要因別に分類してみると以下のようになります。
(飲食と関係ない喫煙と大気汚染は除く)
要因 | 危険因子 |
---|---|
1.塩分取りすぎ | 1位・高血圧、4位・塩分摂取過剰、8位・腎機能の低下 |
2.食べすぎ 消費エネルギー不足 |
3位・高FPG(高空腹時血糖)、5位・高BMI、 7位身体活動少ない、8位・腎機能の低下 |
3.アルコール摂取 | 6位・飲酒 |
4.果物の不足 | 9位・果物の摂取不足 |
何かの危険に備えるときは、大きな危険から先に対策をしていくことが効果的です。
従って、この上位10因子について、対策をとるだけで相当の健康リスクを低減できると考えられます。
このブログのテーマである、過不足ない適切な栄養摂取と運動により、2の「食べすぎ、消費エネルギー不足」は避けられます。
とすると、これ以外に健康に悪影響がある、1「塩分取りすぎ」と3「アルコール摂取」の対策を考える必要があります。
この記事では、まず、「塩分取りすぎ」について、考えたいと思います。
塩分取りすぎはなぜ悪い?
塩分のとりすぎは高血圧になるというのを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
でも、カップめんなどを毎日食べても別に体調は普通だし。。と思ってませんか?
塩分取りすぎの影響が出るまでには時間がかかる
塩分の取り過ぎをコントロールするのが難しいのは、その影響が出てくるまでに非常に時間がかかるということなんです。
日本の食塩の摂取目安量は男性が8g、女性が7g未満とされています。
このグラフによると、その倍近い14gを20年食べ続けてやっと高血圧と診断される域になるということです。
人間、ある日突然血圧が基準範囲を超えて高血圧になるわけではありません。
若い時から徐々に血圧が上がっていって、その結果あるとき基準値を超えるわけです。
毎年の健康診断の血圧の推移を見て増加傾向であれば、将来基準値を超える危険性があるので、対策をとる必要があります。
そういえば、私も若い頃は低血圧で上が100を超えなかったんですが、最近は100を超えて来ました。低血圧が治ったと喜んでいる場合じゃなかった。。。
このペースで血圧が上がり続けると、いずれ正常域血圧を逸脱してくるかも。。
高血圧は脳卒中、腎臓病の原因
平成30年(2018年)の厚生労働省の国民健康・栄養調査・20歳以上の男性の36%、女性の25%が高血圧であるとされています。2https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000615383.pdf
男性の3人に一人、女性の4人に一人が高血圧なんですね。
まさに生活習慣病。高血圧になってからこれまでの生活を悔いても、時間は戻りません。
高血圧は、脳卒中(脳梗塞、くも膜下出血、脳出血)の最大の原因です。3https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
また、高血圧が長く続くと、腎臓の血管が痛んで動脈硬化を起こします。人工透析が必要になる末期腎不全は、高血圧があると男性で8倍の女性で2倍のリスクになるとされています。
高血圧や腎臓病になると、食事の制限が大きくなってしまいます。
早いうちから塩分のとりすぎに気をつけて、将来に渡って美味しい食事を食べられるようにしたいものです。
塩分の多い食品のトップはカップめん、インスタントラーメン
塩分摂取量が多い食べものは何でしょうか?
国民健康・栄養調査のデータを基に、日本人が日常的に食べている食品の中で、食塩を多く摂取しているものについての実態を分析したところ、カップめんが一番多かったようです。
手軽で便利で、味がはっきりしていて、好きな人は毎日でも食べるカップめんですが、カップめんやインスタントラーメンからの食塩摂取量は、1つ食べただけで1日当たりの目標量(男性8g未満、女性7g未満)の7割に達してしまいます。
ちなみに、この「カップめん」にはカップラーメンだけではなく、カップうどんやカップそば、カップ焼きそばも含まれるので注意が必要です。
無視できない調味料の塩分
カップめんやインスタントラーメンみたいなジャンキーなものは食べないから自分は大丈夫!と思っても全然安心でません。
ダイエットのために脂質を減らしてカロリー摂取量を減らそうとすると、洋風から和風の味付けになり、塩分が増える傾向にあります。
例えば、私のお気に入りの朝食メニュー、納豆・めかぶ・キムチ・なめ茸ご飯ですが、添付のタレを全部入れると、塩分およそ1.6gです。これにごまだれ大さじ1を加えると合計2.4gです。
それぞれの塩分含有量は1g以下でも、複数品目が合わさると意外と多くなってしまうことがわかります。
これにお弁当に持っていく味噌汁または春雨スープが1.5g~2g
お弁当の冷凍おかず1個に付き0.3g×5個=1.5gで昼食の塩分は合計3~3.5g
昼食までで既に5.4g~6gの塩分摂取です。
夕食に味噌汁(塩分1.2g)を頂くと6.8g~7.2gで女性の摂取目安量7gと良い線になってしまい、おかずの塩分を加えると完全に目安量を超えてしまいます。
それぞれの食品に含まれる塩分が少なくても、積み重なると無視できないことがよくわかりますね。
塩分控えめの食生活のコツ
添付の調味料は全部は入れない
納豆やめかぶ、カッめんやインスタントラーメンなど、後から調味料を足すタイプの食品で塩分を減らすのは実は簡単で、添付の調味料を全部入れなければいいのです。
めん類のスープを残して捨てるよりは、使わなかった調味料を捨てる方が良心の呵責は少ないです。
納豆・めかぶご飯の場合、付属のタレを、納豆かめかぶの分のどちらかだけを使うと0.5gの塩分を減らすことができます。
これにお昼の春雨スープの粉を半分にすると更に1g減らせて合計1.5g減らせます。
これで、夜のおかずの塩分を取っても大丈夫になりました。
初めて調味料を全部入れず、薄めで作ったときはちょっと物足りない感じがしましたが、私は秒で慣れました。
どこまで薄味にすれば美味しく食べられるかのギリギリの線を狙ってみてください。
めん類のスープを残す
カップめんやインスタンラーメンに調味料を全部入れる場合や、調味料が予め加わっているものを食べるときは、もったいなくても汁を残すなどしたほうが良いでしょう。
汁を全部残せば約4g、半分残せば2gの塩分摂取を減らすことができます。
インスタントでないそば、うどん、ラーメンも塩分は多いので、食べる頻度が多い人や、気持ちが許す人は汁を残してもいいと思います。
私は汁物のそば、うどん、ラーメンはそんなに食べないし、食べ物を残すのは気持ち的に許せないので汁まで全部いただいてしまうかな。。自分で作るときは薄味で作ります。
かけるよりつける。つけるならちょびっと。
うちでは食べ物に醤油を回しかけて食べるという習慣はないのですが、醤油をかけて食べる習慣がある場合は、かけるより小皿にとった醤油につけて食べたほうが良いようです。
このほか、ソースなど、その他の調味料もかけるよりもつけることができる場合はつけて食べたほうが塩分摂取量を減らせます。
一方、飲み会などに行くと、刺し身を醤油にべったり浸して食べる人は結構見ますね。
お刺身などは、お醤油をちょっとつけるだけの方がお魚の味がわかって美味しいと思いますし、小皿の醤油も減りません。
お酢・レモン・香辛料を活用する
なにかちょっと味を足したいと思ったときに、お酢やレモン、香辛料などで味をつけてみると意外と美味しくいただけるものです。
ただし、顆粒だし、豆板醤などは意外に塩分が多いので要注意。
減塩の調味料を使う
減塩の勧めでは割と上位に出てくると思われる、減塩の醤油や味噌など、「減塩の調味料を使う」ですが、味噌や醤油は減塩じゃない方がおいしいんですよ。。。。
血圧が上がってきて切羽詰まったら減塩の調味料に替えるかもしてないですが、まずは普段の食生活を見直して、おいしいものを食べたいです。。
ダイエットしようとか、自転車バリバリ乗ろうとかいう年代の人には、塩分取りすぎの問題はぴんと来ないかもしれません
むしろ、汗をかく時期のライドには、わざわざ塩を加えたりしますしね。
でも普段の食生活が20年後、30年後の高血圧→食事制限に結び付くかもしれません。
将来にわたっておいしいものを食べるために、今からしっかり塩分摂取量を減らして、高血圧を予防したいですね。