突然ですが、ダイエットに取り組んでいる皆さん、毎日快便ですか?
尾籠な話で恐縮ですが、実は私は若い頃は超便秘症で、一週間くらい出ないことはざらでした。
ダイエットなどで食べる量が少ないと、出る量も少なくて便秘になりがちだと思います。
ところが今は毎日快便。
その大きな理由は日々摂っている食物繊維と思っています。
食物繊維の効果
食事の基本はPFC(タンパク質、脂質、炭水化物)バランスとビタミン・食物繊維・水分でしたね。
しかし、食事を管理するときに、PFCバランスランスやビタミンが栄養素として重要なのはよくわかるのですが、食物繊維は見落とされがち。
そもそも、人間は食物繊維を分解・吸収できず、カロリーはゼロです。
なので、食品に表示されている栄養成分表示にもあまり出てきません。
※食物繊維は炭水化物の下に書ける任意表示です
愛用のカロリー管理アプリ、MyFitnessPalでも食物繊維は管理してくれません。
では、食物繊維は何でそんなに大切なのでしょうか?
それは、分解できないということは、食物繊維はそのまま大腸まで到達して、便の体積を増やすことにより、排便を促すからです。
ダイエットなどにより、食べる量が少ないと、たまる便の量も少なくて排便が促されないんですよね。食物繊維によって、物理的に便の量が増え、排便が促されるということです。
また、食物繊維は人間は分解できないのですが、腸内細菌の餌となります。
肉ばかり食べたり、プロテインを多用すると、悪玉菌が増えて腸内細菌のバランスが崩れて、発がん物質である腐敗産物が増えたり、腸の活動が悪くなったりするのですが、食物繊維を摂ることによって、大腸の善玉菌を増やし、腸内環境が改善されます。
さらに、便の量を増やし、善玉菌の割合を増やす効果の他に、食物繊維の摂取量は、数多くの生活習慣病の発症率又は死亡率との関連が報告されている稀な栄養素とのこと。
代表的なものとして、総死亡率、心筋梗塞の発症・死亡、脳卒中の発症、循環器疾患の発症・死亡、2型糖尿病の発症、乳がんの発症、胃がんの発症、大腸がんの発症などを低下させる効果があります。
例えば、食物繊維をほとんど摂取しない場合に比べて、20 g/日程度摂取していた群では心筋梗塞の発症率が 15% ほど低かったと報告されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
食物繊維、足りてますか?
体のサインから見た食物繊維が足りているかどうかは「一日に一回、規則的に排便がある」ことが一つの目安になるとのこと。
この状態である人の排便量は、一日に約150g(見た目ではMサイズの鶏卵が約3個つながった感じ。もしくはバナナ1~2本分。毎日これって、めっちゃ多くないですか???)であることがわかっています。
まずはこの便量を作り出すための食物繊維を食事からとれているかが重要とのことです。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
超便秘症だった私は全く足りていなかったわけですね。
このためには、成人では理想的には24 g/日以上、できれば 14 g/1,000 kcal 以上を目標量としたいとのことです(日本人の食事摂取基準2020年版)。
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586559.pdf
で、一般的に、日本人がどれくらい食物繊維がとれているかというと、令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査によると、中央値で14g~20g位。
理想が24gなので、国民全体で見ても、全然足りてないんですね。。。
特に食べる量が少ないと思われる若い女性が理想の半分強と全然足りてないです。
一方、年を取ると嗜好が変わるのか、健康意識が高まるのか、食物繊維の量が多くなってくるようですね。
表:日本人の年齢別食物繊維の摂取量(理想は24g)
20-29歳 | 30-39歳 | 40-49歳 | 50-59歳 | 60-69歳 | 70-79歳 | 80歳以上 | |
男性 | 16.4 | 17.7 | 17.4 | 18.7 | 19.8 | 20.9 | 19.3 |
女性 | 14.0 | 15.2 | 15.5 | 16.1 | 19.1 | 19.5 | 17.2 |
食物繊維が多く含まれる食品
食物繊維は、肉や魚ではなく、植物性の食品に含まれています。
特に、玄米ご飯や(炊いたもので100gあたり1.4g、白米の4倍)、全粒小麦のパン(100gあたり4.5g、食パンの2倍)、オートミール(100gあたり9.4g)など、精製されていない穀類に多く含まれます。
また、豆や野菜、きのこ、海藻にも多く含まれています。
ただ、食物繊維が多い穀類は固めの食感だったりして食べにくいんですよね。。。
でも、食物繊維が多く含まれているもので日常的に食べられそうなものでも、次の表のような感じなので24g摂ろうとすると、結構厳しいです。
主食が白米(150gで0.45g)だと全然食物繊維がありません。
(オートミール強い!)
現在検討されている「第三次健康日本21」でも、日本人の全死亡に関与する食事要因として、食塩の過剰摂取、全粒穀類の摂取量の少なさ、果物摂取量の少なさが報告されていています。全粒穀類の摂取量の少なさというのがまさに、食物繊維なんですよね。
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001070911.pdf
表:1食あたりの食物繊維の多い食べ物
玄米ご飯お茶碗軽く1杯150g | 2.1g |
全粒小麦のパン6枚切り1枚67g | 3g |
食パン6枚切り1枚67g | 1.5g |
オートミール100g | 9.4g |
めかぶ1パック50g | 1.7g |
納豆1パック50g | 3.3g |
レタス100g | 2g |
キャベツ200g | 3.6g |
きなこ大匙1杯7.5g | 1.1g |
アミノ酸の時にもビタミンの時にも出てきた納豆、たんぱく質、ビタミンB₆、鉄分、マグネシウム、食物繊維、カリウム、更年期の女性に効果があるかものイソフラボンも持っているし、マジで納豆はスーパーフードかも。
不足分はサプリで補う
ということで、普通の食事をしていると、どうしても不足しがちな食物繊維。
ここは手軽にサプリで補うことを考えたいと思います。
まず、どんなサプリを買えばいいのかを考えましょう。
食物繊維には水溶性の食物繊維と、水に溶けない不溶性の食物繊維があります。
水溶性食物繊維は、海藻類などに含まれ、糖質の吸収を穏やかにしてくれます。
不溶性食物繊維は豆類、穀類、野菜類などに含まれ、便の量を増やしてくれるほか、善玉菌の餌となります。
いろいろなダイエット食品に入っている難消化性デキストリンは糖質の吸収を穏やかにしてくれる効果を持つ水溶性食物繊維です。
一般的には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂りましょうと言われますが、便秘解消におすすめなのは、便の量を増やしてくれる不溶性食物繊維!
私は粉の食物繊維を朝に飲むプロテインに大さじ1杯、5g混ぜるほか、おやつのプロテインパンケーキに2.5g入れるなど、だいたい7.5g追加で摂って毎日快便です♪
不溶性食物繊維は水に溶けないので、液体に混ぜる場合はうまく混ぜながら飲んでくださいね。
また、便秘解消以外でも、タンパク質を多く摂っている人は、腸内環境の改善のために、必ず多めの食物繊維と大量の水を摂りましょう。
過剰摂取の危険は?
何か効果があるという食品を摂るときには必ず過剰摂取の危険も調べることが必要です。
そこで、厚生労働省の食事摂取基準を見てみると、目標値(下限)の24gは設定されていましたが、上限は設定されていません。
しかし、様々なダイエット食品などに含まれている水溶性の食物繊維はサプリメントなどで摂り過ぎるとおなかを壊したり、栄養の吸収が妨げられるという記事も見られました。
また、不溶性の食物繊維は、多く取り過ぎると便の量が多くなりすぎて排泄されにくくなることがあるようです。
ということで、やはり、過ぎたるは及ばざるがごとし。
一日に一回、規則的に一日に約150g(見た目ではMサイズの鶏卵で約3個分)の排便があるように、自分の適正量を探しましょう。
いかがでしたか?
カロリー計算に出てこないので無視されがちな食物繊維ですが、とても重要な役割を果たしています。
便秘は腸内に毒素が溜まり、これが全身に回るため、万病の元と言われることもあります。毎日快便を目指して、適切に食物繊維を摂りたいですね♪